2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

うたいっしゅおんかうぶらうやまざくら

薩摩守忠度は清盛の末弟 一の谷では西の手大将軍 一門都落ちで都を出たが ある夜歌の師藤原俊成に どうしても一言を伝えん と都に戻って託したもの 百余首の歌認めた巻物を 鎧の下から取り出だして これに候巻物のうちに さりぬべきもの候はば 草の陰にても…

むしゃのせにいれたるはなぞいざちらん

産衣の鎧を拝領せし身 一の谷生田の森の合戦 箙に梅の一枝を挿して 唯一人取り残され勇戦 父と弟辛くも救出せり この梶原源太景季こそ 宇治川先陣争いの後手 磨墨の腹帯を謀られて 生食の佐々木高綱より 薫功を奪われし者なり

きんだちやなんのさしがねいれなんと

生と死の分かれ目が 首を掻く場を山にして 臨場感を以て肉薄し 美麗な装束・武具と 錦の袋に収まる笛を 面影に語られる平曲 重たき琵琶の抱き心 ではありますまいか

おもてに

対面する 面ざしが 遥か彼方 相手後背 もろとも 射し貫き 面目なく 面喰って 籠る自他 たじたじ 彌み縫い 面壁する 背面には 幾万の語 透き徹る 智の恵み