2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

古今

古 俗に 十人が 是か非か 問うたとか 十は干(たて) 口は祝禱収納器 毀損から守るのだ 祝禱の詞すなわち 往古の典故規範を 今 器に 栓付の 蓋をする 良か否か 閉塞の状況 口ふくめば含 微声を発する吟 心に深く思う念 雲気がこもる陰

題〉消滅

前」消え 後」滅す 93分巌頭に刻んであれば 華厳の滝もさぞや愁嘆

東西

日出るや 左の掌に 光を受け 五体への 気の循環 汗牛充棟 心の器に 鎮め守る 一挙手動 陽は中天 両手構え 光彩浴び 脳髄への 雷電伝い 獅子奮迅 腰を据え 手足舞う 百戦錬磨 日没して 右の掌は 宵を撫で 四肢緩く 闇を練り 森羅万象 爪先にて 把捉する 千載…

推す 門 掌は 量る 圧力 抵抗 内に 在す 方 の 質 を 敲く 扉 手が 計る 響く 音声 中に 存す 者 の 問 を

に立つ

両足捕捉 裏は把持し 立地の感覚 表で跳躍し 空中の触覚 右からの始動 左の対称行動 腰は悠々 旋回舞踏 順逆応変 両手挙拳 正面を打ち 実態を撃破 側面の殴打 虚像は払拭 下手から先手 上手から後手 首は垂直 優柔不断 虚実皮膜

あの向こう

山からの 道筋は 困苦の果て 峠を越えて ここに来る 旅人の 出現点を 初めて 綴る 標べだ 異人か神かは 到着後に わかる 海からの 航路は 波を乗り越え この港に至る 海彼の 人と産物 金品・技術 智恵・文物 いずれも 未着の内に 待望され 到着後 分配される

の向こう

道の 奥は 行き止まり に見えて 行き着くと 更に奥が 微妙に 新たな 景観を 横たえ て見せる 一つの 遠近 術 雲の 裏は 無きが如く に見えて 画面の物を 暗示して 如実に 親しい 物語を 展開し て見せる 一曲の 屏風 絵

彼岸

こっちの岸辺 川は流れつつ 梅花藻が咲き はやが泳ぐ中 生きてし在る 理由が探られ 清流の底そこ 水面の乱反射 飛び込む鶺鴒 鼈が漂遊する 人は花鳥風月 獣は狩猟生活 それで良いか 地球温暖化に あっちの岸で 淀みに浮ぶ川 慈愛の観音と 鼻開く閻魔と 不可…

遠近

摑める 筈だが 手指は 不可触 灰色の 壁面に 届く腕 手前の 銀の棒 光って 太くて 硬くて 距離が 分からない 洗える 筈だが 風呂で 手指は 届くが 護謨を 手甲で 擦る様 肱肩の あいだ 当人は 不可視 一筋の 二頭筋の 裏の筋肉 裏見の 瀧あり 岩窟で 滝越し …

炊爨 煮炊 蒸焼 煮沸 米を 麦を 大豆 小豆 芋を 火に 掛け 通し 日々 卓に 供す 仏は 示し 法を 照し 僧が 観じ 鉢に 供物 身に 粗衣 口に 真言 三宝 荒神

その後

縫う 這う 源へ 泥岩 恒河砂 小砂利 砂礫 小石 栗石 小岩 岩床 巌と 水流を 遡る 綴り 辿る 起源 電子 無量大数 粒粒辛苦 芥子 粟稗 胡麻 小豆 大豆 隠元 空豆 記憶の 遡行 さかのぼる おもいでの 四季 怒哀楽

の後

破り 壊し 砕き 拉ぐ 圧倒的葦根 流木 角材 浮標 車輪 ペットボトル 各種ボール 河水は 従来の 版図に 戻って 増水時 濁って 減水し 澄んだ 流れに すべく 変容し 秋水に 立案し さらに 待機中

氾濫原

水流水量共に圧倒的な多摩川の姿を知った。 台風9号の去った調布染地の多摩川べりではあったが、流木の、小片は箸、大木は電柱大の集積が展開し、 自動車のタイヤや、野球・テニスのボール、サッカーボール、洗剤入れ、ペットボトルなど様々なものが散在、…

在非在

吹かれる毛が 足首から戦ぎ 地に触れる頃 揺り返す台風 余波に手足や 脳髄体躯撫で 覚えの五感は 薄い第六感に 浸潤され始め 支えの頚骨が 頭蓋ごと律し 天に激突する 気圧の谷から 恒常に戻る力 感官は渦巻き 洪水後の土に 最初の双葉が たゆたう肉身 雷雲…

阿吽の間

乎 呼気 吐息は 地に向き 吐き尽くす 血脈の酸素を 葉脈から拝受し 鉱脈に呼び懸ける 亞 吸気 嘆息は 天を仰ぎ 神意を占う 沈香を灰燼に 残香ごと水神の 微香を吸い込んで 宇 喘息 無呼吸 神出鬼没 闇の裏の貌 絶縁不伝導体 絶体意志不通時 絶命真偽不明瞭場

谷底

皆無 ではないが 蒙昧 枯渇 ではないが 費消 面目 なくはないが 式目を 始原 なくはないが 中原に 坩堝 に似て 滝壺 絶顛 に非ず 平坦 脳内に製図滴り台風来

シルエット

蹲る 街も 眠る 人も 家々 建物 露地 路筋 抜道伸びる 天空に 覚める 鳥たち 巣立ち 鳴声で なぞる 三文の ご利益

イスタンブール

東方見聞録 百万都市の 政治経済は 技術文化と 極東に渡り 華麗な姿で 陰翳を刻み 暗黒を彫り 言語を極め 宗を遍くし 八百万の像 両手の万歳西方逍遥記 海上都市の 朝市場会話 挨拶慣習は 生活智恵と 智謀戦略を 版図に展開 明澄を望み 意識を高め 理を特化…

生々しく

蝕まれた月が皓々と 鋸状の辺縁を左肩に 深更の空に鮫皮状の 雲がその歯を磨いて 見上げる亡者の闇を 食い破る地獄の中心 閻魔大王は人肉味の 柘榴を喰らいながら 三途の川を渡る者の 罪と罰を帳面に記す 人殺しには同じ苦痛 盗賊には数倍の代償 蝕まざるを…