2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

落首     002

墜落する夢を見る 記す為に働く海馬 想起困難なる脳の 影から光を辿って 粒子は量子力学を 魂魄は自らを描く 筋斗雲の浮力は魂 船竜骨の磁力は魄 巫祝の言霊を振り 精神の玄妙を示す 崩落する崖の地層 記す為に土を読む 富士山噴火による 各種関東ローム層 …

落首   001

剥落したこれらが 記念する為の鍵だ 文明の遺跡からは 生活の切れ切れが 将来に生かせるか 不明のまま伝わる 現在の湧水地にも 縄文人の衣食住が 痕跡の形で残存し 聞こえる気がする 凋落した何かが今 記帳するべく脳の 中枢神経へ信号を 必死になって送る …

脱落したそれらを 記載する為の筆と 竹筆を立てる筆筒 水滴と硯と洗皿と が用いられぬまま 湖州製正冬純紫毫 賊草文砥部焼筆筒 銀山焼仏手柑水滴 太平有象銘歙州硯 見捨てられている 凋落したあれらを 記憶する為の気力 魅力と腕力と共に 内奥部で眠る海馬 …