はやしにて

sokuze2008-02-28

竹林に午後の光
横様に過ぎって
影は落ち葉に縞
鳩たちに指示し
傍観する書斎で
言語は朽ちつつ
新たな菌糸類に
再び語られる様
壊死崩壊のまま
地中に根を張り
微熱を明滅させ


槇にも午後の光
針葉で分裂して
幹に巨影を巻き
烏どもを遅らせ
枯葉の寝床には
異人の末裔らが
新たな神の像を
崇拝の対象にし
信不信を越えて
人中に繰り出し
冷笑を浮沈させ


松には日没の光
風もろとも受け
垂直に滴らせる
未確認歩行身体
陰翳の韻律には
一寸法師らの唄
八百万の曲調で
津々浦々の事跡
全国各地の悲傷
篳篥琵琶太鼓
演奏し微笑ませ