箱船と鳩

sokuze2007-02-13

箱舟に乗るべしという神の一言は信仰篤いノアと動物一番だけ救い、
箱船に乗れなかった生き物達が洪水に呑み込まれて全滅させられた。
箱船に乗れた生き物である鳩は洪水の治まり具合を見届ける使者だ。

鴛鴦や加賀等紅白の梅が咲き馨る羽根木公園の丘の麓に新築された、
北沢署の人肌色の建物の脇坂を三十数年ぶりに我自転車で通過した。

鳩が銜えて戻ったオリーブの枝、大洪水が引いた後の陸地の出現だ。
良からぬ人々が滅ぼされた後神の意を受けて生き延びたはずなのに、
漂着した後の善良な子々孫々は現在の世界地図を分割して独占する。

[箱舟]と鳩は地球及びその住人の直喩であり隠喩であり喚喩であり、
戦火の海と貨幣の洪水と環境汚染に晒され武器を捨て花を手にする
ことでさえ一刻の猶予もならぬ事態であると充分に気付いてながら
この水の惑星の財を日々貪る輩を許しておいていいのであろうか?