池沼

sokuze2007-07-02

砂地に残る蹄鉄の跡
規則正しい歩幅が刻まれ
乱れた小幅の躊躇いが
雨に濡れてくっきりと
馬たちの息遣いを印じ
凌霄葛が装飾門の葛藤を
活き活きと見せて咲き誇る
年輪を重ねる枝に朱の菌
邪道に匍匐の残滓が滑り
累卵の危機が
到る所に顕現する
乗り手たちが息を呑む場
花菖蒲の終焉は立ち尽くす
この湿潤の季節には
すべての手配を終え
沼の其処に潜ろうではないか