七歩豆煮歌

荒ぶる五体如何
捻れる魂魄何処
松籟にも紛れず
唸り声這う地に
啜り泣く風韻毎
故地追わるる時
流浪の悲歌嘆ず


身装へる破衣を
志違へる居所に
世を捨てぬまま
真意の如く掲げ
狂に近き漂泊を
道中の連れ共々
仮の喜劇と演ず


観に似て非なる
生死の境目には
焚火と一飯の義
往きて果てるや
正道なるや否や
夢沢枕頭にして
口福に黙戯せん