飛礫落葉

砂礫と菅茅の追分では
抱えてきたはずの追憶
片鱗を手にするか未知
いずれも風に飛ばされ
乾いた茎と促された石
双方がいやいやながら
中空に踊らされ舞って
何処へか分去れてゆく


火山灰に根を張る唐松
地上の栄養が貧弱な分
針葉の葉緑素生産物を
梢から根まで送り届け
音無く舞う落葉の穐を
殖ゆ張ると黒土に変え
再び清涼なる林の下に
気鋭の哲人を歩ませる