陰影

sokuze2007-02-01

 月影というと月の光を表し、「暁月に影見えて」の影は月の姿であり、日の光におけるかげは明るい面、その光がさえぎられるときのかげは暗い面を表し、光と影は表裏一体、同一物の変容に過ぎない。
 光の反対側には影ができ、光の当たらない部分は陰として、陰影の中にこそ白日の下に照射されるもののあらわな実態が晒される、と言えよう。
 しかし、光の中に現れるものの姿はすでに抽象だ。現実の光の量を遥かに超えた白日の下にあるものの姿とはすでに超現実である。
 花々は正直だ。蝋梅も紅白の梅も水仙も既に東京では露地に開花している。光と影の塩梅が利いている証拠ではないか。