心の骨折

なんだろう
負荷がどれだけ
精神力がこんだけ
という状態とは全く違った
自らの心と思い込んでいる
そこに食い込んでくる力
網状の一部は破れて
棒状の一部も歪んで
くらげなすといわれる
あしかびのと云い伝え
海女の息継ぎのごとき
山上の垂訓を刻む様な


どうしたことか
巫女のつぶやき
破壊力はあれだけ
そんな習俗とは馴染まない
一家の風と見做されている
ここから噛みついて
敷き物は真ん中から破れ
天井は隅でめくれあがり
いのこといわれる
ししのししそんそん
猪突猛進の鼻息
白鯨浮上の潮吹


そうなのか
頭脳の塔の先端で
魂の壺の奥底で
揺れる影を映しながら
海底の灯りを目指すごとく
夜空の彗星を捉えるごとく
引きちぎられた書物の山
破砕された食器の沼を越えて
失われた歳月を手探りし
未だ来ぬ日々を創造する
緑の海老たちや蛙の王族
尾白鷲の若者や狼の群れ